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月別アーカイブ : 2020年9月

「日本アニメーション学会賞2020」選考結果のお知らせ

2020.09.08 カテゴリー:お知らせ,学会賞

本年度「日本アニメーション学会賞2020」の選考結果が決定いたしましたので、下記の通り、皆さまにご報告申し上げます。


■日本アニメーション学会賞2020:
『フライシャー兄弟の映像的志向 ―混淆するアニメーションとその空間 』
宮本 裕子 著 (2018年 明治学院大学機関リポジトリ/2020年 水声社刊)


■特別賞:
『富野由悠季の世界』展と『高畑勲展』 二つの展覧会の企画に対して

〇「富野由悠季の世界」展企画チーム (福岡市美術館、兵庫県立美術館、
島根県立石見美術館、静岡県立美術館、富山県美術館、青森県立美術館、神戸新聞社)
〇東京国立近代美術館/株式会社NHKプロモーション(『高畑勲展』)


<贈賞式>
日時:2020年9月13日(日)14:30~15:00
日本アニメーション学会第22回大会(オンライン開催サイト*)にて配信
※https://jsas.net/conference.html のリンクよりアクセス
※大会参加には参加費が必要となります


<選考委員>
石田美紀(新潟大学経済科学部 教授)
権藤俊司(東京工芸大学アニメーション学科 准教授)
須川亜紀子(横浜国立大学 都市科学部/都市イノベーション研究院 教授)
鷲見成正(慶應義塾大学 名誉教授)
米村みゆき(日本近現代文学研究者/専修大学文学部 教授)


プレスリリース(PDF)


■贈賞理由

学会賞/宮本 裕子 著『フライシャー兄弟の映像的志向 ―混淆するアニメーションとその空間』

我が国ではフライシャー兄弟によって制作されたアニメーション作品は一般によく知られているが、制作者である兄弟の知名度はディズニーに比べると必ずしも十分とはいえない。二〇一八年五月に明治学院大学機関リポジトリにて公開された宮本裕子氏の博士論文に基づく氏の著作は、このフライシャー兄弟のアニメーションを取り上げて、その映像作品の歴史的・社会的な位置づけ、作品制作の方法論および開発された作成装置、そこから導き出される映像論に関する考察などを詳しく論じた労作である。 実写映像の空間とアニメーション映像の空間の混在がフライシャー作品の主たる特徴とみなされ、この複雑多様な空間特性の混淆がもたらす映像の一体化を「映像的志向」という思考の枠組みで説明していこうというのが著者の狙いといえる。今日のデジタル技術の目覚ましい進歩発展は実写映像とアニメーション映像との垣根を外し、まさしく複雑空間の混淆をアニメーションにもたらしている。本書が目指す「映像的志向」の概念は、今後メディア研究の発展とともに密接なつながりをもって展開されることとが予想される。本書の中で「志向」の概念化と論述過程の記述にやや不明確な点が認められるが、フライシャー・アニメーションを見直すことでディズニーとは異なる次元の知識体系をフライシャー作品に賦与した本書の功績は高く評価される。今後の研究内容の一層の充実と発展が期待される。(選考委員・鷲見成正)

特別賞/『富野由悠季の世界』展と『高畑勲展』二つの展覧会の企画に対して
〇「富野由悠季の世界」展企画チーム/〇東京国立近代美術館、株式会社NHKプロモーション

「富野由悠季の世界」(福岡市美術館他、2019/6-)と「高畑勲展-日本のアニメーションに遺したもの」(国立近代美術館他、2019/7-)は、美術館におけるアニメーション展示の結節点となる展覧会であった。 近年、アニメーション展覧会は増加と多様化の一途をたどっており、そのアプローチも様々である。例えばシュヴァンクマイエルやバックのような「作家」を取り上げる場合、古典的な美術館の制度に沿って、人形や原画が芸術家個人の創作物として取り扱われる傾向にある。 他方、商業アニメーションに関しては、ジブリやピクサー等の会社単位でその制作システムを総体的・啓蒙的に示す展覧会があり、さらにその中の個人の業績にスポットを当てた展覧会も多く開催されている。とはいえ、後者の場合、アニメーター(安彦良和、近藤勝也、近藤喜文)や美術(男鹿和雄、山本二三)、メカデザイナー(大河原邦男)等、職種として「絵」の面に偏してきたことは否めない。 このような状況に対して、基本的に「絵」を描かない演出家である富野と高畑を取り上げ、集団作業であるアニメーション制作の中から「演出」のプロセスをいかにして可視化するかという困難な課題に取り組んだ二つの展覧会は画期的である。 「高畑勲展」に関しては、とりわけ『太陽の王子ホルスの大冒険』関連が充実していた。制作素材に加えて、今回公開されたスタッフや会社の内部文書が、今後の高畑研究や東映動画研究のベースとなっていくことは間違いない。 「富野由悠季の世界」では、あえて時系列ではなく、テーマ別の読解に踏み込んだ構成が刺激的であった。また、企画・執筆がアニメーションプロパーの研究者ではなく、各美術館の学芸員によって行われたこともアニメーション研究の定着と拡がりを象徴する点である。 両者が期せずして同年に開催されたことはアニメーション研究において重要な意義を持つと考え、選考委員会の総意として本年度の特別賞に選出した。(選考委員・権藤俊司)

■「日本アニメーション学会賞」について

「日本アニメーション学会賞」は日本アニメーション学会(1998年創立/www.jsas.net)の創立15周年記念事業として2014年に創設されました。 「日本アニメーション学会賞」は主としてアニメーション研究者の顕彰・奨励を目的としております。またその授賞対象は会員に限らないものとしました。これは現状においてはアニメーションあるいはメディア芸術の分野における顕彰・奨励が伝統的な分野とは異なり作家・クリエイター中心であり、創り手以外の研究者や教育者・批評家などへの顕彰・奨励の機会はごく限られたものであるからです。本学会員の間でも、かねてよりこれを解消すべき大きな課題であるとする意見が少なからずありました。 本学会がこの賞を設けることにより、これまで顧みられることの少なかった研究者の顕彰、特に若手研究者の奨励を実現させたことは、学会としての社会的使命の一つを果たすことに繋がるのではないかと考えます。「日本アニメーション学会賞」がアニメーション分野あるいはメディア芸術分野の学術研究の活性化を促し、その一層の発展に寄与することを本学会員一同、心より願っております。 日本アニメーション学会ではこの賞を本学会会員皆の力で支え育て、末永くまた大きく発展させていきたいと希望しておりますので、関係各位の皆様のご理解とご協力をどうぞよろしくお願い申しあげます。

日本アニメーション学会会長 須川亜紀子

 

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