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学会活動アーカイブ

日本映像学会映像心理学研究会・アニメーション研究会、 日本アニメーション学会心理研究部会 合同研究発表会のお知らせ

2020.02.05 カテゴリー:心理研究部会,研究部会活動

本学会の心理研究部会と日本映像学会の映像心理学研究会・アニメーション研究会との合同究発表会を下記の通り開催いたします。会員、非会員問わず、どなたでも参加いただける会です(参加申込みは文末のフォームから)。ご興味、ご関心がございましたら、是非ご参加ください

日本映像学会 映像心理学研究会・アニメーション研究会 代表:横田正夫
日本アニメーション学会 心理研究部会 代表:野村康治


■開催概要
日時:令和2年2月29日(土曜日) 13:00~
会場:日本大学文理学部3号館 3504教室
http://www.chs.nihon-u.ac.jp/about_chs/campus_map/
参加費:無料

■プログラム
〇日本映像学会心理学研究会・アニメーション研究会
 13:00~15:00(質疑応答を含む)

 研究発表:野村建太+片渕須直
 題目:「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」の撮影について

〇日本アニメーション学会心理研究部会
 15:10~16:10(質疑応答を含む)

 研究発表:薮田拓哉
 題目:アニメ視聴による心理的体験の構造化および作品/視聴者要因に関する臨床
心理学的研究 -アニメーション療法の開発に向けて-
 アニメ視聴によって人々はさまざま体験をするが、時に支えになる体験となるなど、
援助的な側面も包含している。しかしアニメーションを心理的援助に応用する試みは
行われておらず(横田,2019)、基礎的な知見が少ないのが現状である。本発表では、
臨床心理学の観点からアニメの心理的支援への活用可能性につながる研究を紹介する。
研究1はアニメ視聴で経験する心理的体験を分類・構造化し、それに基づき、アニメ
視聴による状態変容モデル、心理的体験モデル、「結ぶ,出会う,繋ぐ」プログラム
といった心理的援助への活用モデルを生成した。次いで研究2は、その体験を生起さ
せるのに必要な作品要因と視聴者要因およびそれらの適合、体験生起を妨げる阻害要
因について検討した。研究2からは、体験の生起をめぐって作品制作と視聴の双方に
おいて着目すべき視点が得られた。本発表では、2つの研究の詳細を紹介し、「アニ
メーション療法」の可能性について議論したい。

〇日本映像学会映像心理学研究会・日本アニメーション学会心理研究部会 合同企画
 16:20~17:50(質疑応答を含む)

 パネル・ディスカッション
 題目:アニメーション -「イメージ」の伝達-
 アニメーションは、作り手が思い描いたものを具現化し、それを受け手に伝える表
現だといえる。一般に私たちは、思い描くものを「イメージ」とよぶため、その具現
化つまりアニメーション作りにおいて「イメージ」が不可欠だと考えるのはごく自然
なことである。しかし、そこで必要とされる「イメージ」とはいかなるものなのであ
ろうか。あるいは、アニメーションにおいて「イメージ」は本当に不可欠なものとい
えるのであろうか。今回のパネル・ディスカッションでは、アニメーション作りにお
ける「イメージ」の重要性を指摘する中村氏と、「イメージ」という概念を用いずに
アニメーション作りを語る佐分利氏という、ある意味で対極的な視点に立つ2名のパ
ネリストを招き、意見交換をすることでアニメーションにおいて伝達される「イメー
ジ」というものを検討していきたい。

 パネリスト:中村 浩
 題目:アニメにおける動きイメージのリアリティについて
 アニメ作家が作り出す動きには、その動きのイメージと統合された作家自身の身体
図式が表現されている。そしてその鑑賞者においても、観察した動きが鑑賞者自身の
身体図式に関連付けられることによって、それがよりリアルな動きとして知覚される。
しかしこれは身体図式と視覚的に鑑賞される動きの統合によって形成された視覚図式
がアニメ製作者と鑑賞者に共通であることを前提としている。ではこの図式はどのよ
うなプロセスを経て形成されるのであろうか。リアリティの高い視覚図式の形成が、
視覚刺激の身体図式への同化によって可能になることを発達心理学的観点から示した
のがPiagetであるが、本報告では因果関係知覚の発達を題材とした研究結果を手掛か
りとしてこのプロセスについて議論したい。

 パネリスト:佐分利奇士乃
 題目:イメージで語らない生態心理学と、イメージとしてのアニメーション
 生態心理学において私たちが視覚で環境を見るとき、脳内で作られるイメージや目
にしたときの網膜に投影される像(イメージ)は必要無い。網膜は光学的配列を捉え、
その配列そのものが視覚情報となるからだ。それは私たちの意識の外にあるもので、
ヒトの状態や行為にかかわらず存在している。
しかし、アニメーションは映像であり、本来のイメージの意味から考えてもイメージ
である。だから、アニメーションの作り手が見せたいものに情報が片寄ることがある。
 普段の何気ない動作を改めて絵画的なアニメーションで作ると、高畑勲が指摘して
いたような「異化効果」によって、観客が持っている「動きの印象」ではないディテ
ールが知覚される。このとき、アニメーションは作り手が「引き写した環境と動きの
事実」であるとともに「思い描いた」ものとして機能し、非常に力強い表現となる。

 進行:野村康治

■参加ご希望の方へ
 事前の参加予約は不要ですが、参加人数把握のため、2月28(金)までに下記まで
に、こちらフォームからご連絡くださいますようお願いいたします。

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